名古屋で弁護士をお探しなら、丸の内駅前のすずらん法律会計事務所にお気軽にご相談ください。

052-239-1220

すずらん法律会計事務所

お問い合わせ・ご相談

>
>
忘れられない行政事件

忘れられない行政事件

 

行政側の代理人として関与した事件

世界デザイン博覧会事件

名古屋で開催された世界デザイン博覧会において使用された施設等を名古屋市がデザイン博覧会協会から購入した件について、名古屋市の市長とデザイン博覧会協会の会長が同一人物であり、この売買契約は民法108条の双方代理に違反して無効であり、購入代金は違法な公金の支出に当たる等として住民訴訟が提起された事件でした。多くの法律書にも取り上げられている著名な事件となっています。

1審で名古屋市側が敗訴し、当時の市長が多額の賠償責任を負うとの判決が出たこともあって、控訴審から数名の弁護士と共に代理人に加わった事件でした。最高裁判所で破棄されその後再度最高裁まで行きやっと確定した10年以上争われた大事件でした。結局、市長等の賠償責任は否定されて確定しましたが、普通地方公共団体の長が代表して行う契約に民法108条の双方代理の規定が類推適用されるとの判断が確定し、実務にも大きな影響を与えた事件でした。それまでは、土地開発公社の理事長は、当該普通地方公共団体の「長」が兼ねている場合が多かったようですが、その後は、契約行為が双方代理に該当し無効とされることを避けるために「長」以外の方が就任するようになっているようです。

私は、被告となった市長が誠実に市政に取り組んできた方であることを良く知っていたので、その市長の賠償責任が否定されたことに安堵を覚えた事件でした。

 

海面下の土地の売買が問題となった事件

名古屋市がゴミの処分場用地として購入した土地が、海面下の土地であり名古屋市は当該土地を不当に高く購入したとして、高額な購入代金は違法な公金の支出に当たるとして住民訴訟が提起された事件でした。対象となった土地が野鳥の飛来地として有名な干潟であったため、干潟の保全を巡って社会の関心を呼んだ事件でした。事件自体は、この土地は従前から価値ある土地として売買の対象となってきた事実を認めて、購入代金は不当に高い価格ではなかったとして、住民の請求は棄却されましたが、この事件の提起もあり、名古屋市は当該土地をごみの処分とする計画を断念して、現在はこの干潟の保全が図れているようです。この事件を契機に名古屋市では、ごみの分別が進んだと言われています。